第十五回 マイコプラズマ(2種類)、ウレアプラズマ(2種類)感染
第十四回 子宮内膜症術後のホルモン補充療法(HR T)の注意点
第十二回 低容量ピルによる血栓症
第九回 外陰部が痛くなる性器ヘルペス
第八回 尖圭コンジローマ
第七回 IUD(ミレーナ)
第五回 子宮頚癌とHPV(human papillomavirus)感染
第四回 人工妊娠中絶術
第三回 低容量ピル
第二回 最近多いおりものが臭いやつ
マイコプラズマ(2種類)、ウレアプラズマ(2種類)感染
マイコプラズマとウレアプラズマは、細胞壁がなく、とっても小さい細菌です。
これらは、性交等で感染します。現在検査可能なのは、以下の4種類です。
マイコプラズマは、Mycoplasma genitalium(M.genitalium)とMycoplasma hominis(M.hominis)
ウレアプラズマは、Ureaplasma urealyticum(U.urealyticum)とUreaplasma parvum(U.parvum) です。
特に、M.genitaliumは、単独で病原性が強く、一般的な培養検査では、検出できず、コロナの時使った、PCR法で検出します。残りの3つは、一般培養検査で検出できます。
この3つは、M.genitaliumに比べて、単独では、病原性はあまりありませんが、他の細菌などと一緒になると病原性を発揮します。
よくある細菌性膣症(オリモノが臭う)は、他の細菌と一緒に、この3つのどれかや重複することがしばしばです。
細菌性膣症は、フラジール膣錠で治療しますが、M.hominisは、単独では、フラジールに耐性ですが、ほかの菌の死滅に伴いM.hominisも無くなることがあります。これには、M.genitaliumは、あまり関係がないと言われています。
M.genitalium以外は、日常的によく検出します。抗生剤の耐性菌が多く、治りが悪いです。これらは、単独では、病原性があまりなく、他の細菌と一緒になって、悪さをするため、その細菌の治療が完了し、症状が改善したら、場合により様子観察とすることもあります。ただ、子宮頸管炎、不妊、流早産等の原因になってる場合は、別です。
M.genitaliumは、有病率は高くないのですが、単独で病原性があるため、ちゃんと治療する必要があります。今のところ、抗生剤が効きます。
子宮頸管炎、骨盤腹膜炎、不妊、流早産等の原因になりますから。
子宮内膜症術後のホルモン補充療法(HRT)の注意点
閉経になる前に、ひどい子宮内膜症で子宮卵巣全摘すると術後、更年期障害が出ることがあります。そうなるとHRTを開始します。
一般的に、子宮がない人へのHRTは、卵胞ホルモンだけの治療でいいことになっています。
しかし、子宮内膜症があった人では、この卵胞ホルモンで、ほんの少し残ってる子宮内膜症が再発してくることがあります。
このため、子宮内膜症術後のHRTでは、黄体ホルモンも同時に出さないといけません。
この黄体ホルモンも手術の内膜症の状況により、子宮内膜症により効果があるジエノゲストやレルミナ(短期では、更年期障害は、起きない)にする必要がある事があります。ご注意を!
新しい月経困難症の薬 ジエノゲスト0.5mg
子宮内膜症の薬として、ジエノゲスト1mgが世界で初めて日本の持田製薬から売り出されまた。これは、画期的な薬でした。
その量を半分にしたのが、ジエノゲスト0.5mgです。月経困難症の薬として。
低容量ピルと比べてのメリットは、
1.血栓症がない。低容量ピルでは、一番の問題でした。ですから、安心して使えます。
2.年齢に関係なく使える。低容量ピルは、あまりに若い人には、最大骨量の低下を招くことが危惧されています。
また40歳以上は、低容量ピルでは、血栓症が増えるため、勧められません。
3.生理がこない。しかし、ジエノゲスト0.5mgでは、自分の卵巣から、ちゃんと自前のエストロゲンが出ています。ですから、安心です。
一方、低容量ピルでは、自分の卵巣から、エストロゲンもプロゲステロンも出ません。外からの合成エストロゲンとプロゲステロンでコントロールします。
4.男性ホルモン様作用がありません。ニキビが増悪する事はありません。かえって、改善傾向になると思われます。
5.PMS(月経前症候群)も無くなります。これは、低容量ピルもそうですが。PMSは、排卵後のプロゲステロンの大きな変動で起こります。この変動がなくなるから、PMSが起こらなくなります。
6.他の薬との相互作用があまりない。
7.圧倒的に、薬の値段が安い。低容量ピルは、2500円程度/月。
このジエノゲスト0.5mgは、900円程度/月です。若い人には、嬉しい。
デメリットは、
1.子宮出血です。
1日2回服用。半減期が7時間のため、12時間しか効かず。このため、朝晩服用となります。時間厳守で、12時間で飲んでもらいます。
仕事場や学校には、カバンに入れて、時間になったら飲んでもらいます。飲み忘れたり、時間がずれると子宮出血が起きます。
しかし、ジエノゲスト0.5mgでは、多くの場合、子宮内膜が、萎縮し出血しなくなるまで、3ヶ月ぐらいかかり、その後は、出血しずらくなります。個人差はありますが。
出血が、どうしても気になれば、4日間休薬し、5日目より再開。休薬中に生理がきます。ちょっと多い出血となりますが、その後は、子宮出血は、止まってきます。
体重が多すぎる人は、出血が続くことがあります。これは、体重のため、薬の増量しかありません。薬の量が足らないためです。
結論
血栓症が起きない理想的な月経困難症の内服剤です。年齢の若すぎる人(12歳~14歳)の使用もできます。
生理が無くても、自前のエストロゲンは、ちゃんと出てるため、心配いりません。
PMSも起きなくなります。これには、朝晩ちゃんと内服することです。
また、避妊の事。ジエノゲスト0.5mgは、避妊の薬ではありませんが、メカニズムは、子宮内膜の増殖抑制、卵巣では、排卵の抑制をし、月経の消失をみるため、ちゃんと服用してれば、理論上妊娠しないと考えられます。しかし、飲み忘れと、話は違います。まあ、低容量ピルでも、飲み忘れると同じようなことが考えられます。
理想的な月経困難症の薬です ジエノゲスト0.5mgは。
避妊だけではなく、生理中の苦痛を和らげる効果や子宮内膜症の治療にも有効な低容量ピル。多くの女性が活用していますが、2013年12月に新聞で死亡例が取り上げられて以来、ピルの副作用による血栓症も注目されつつありますが、まだまだ十分認知されていないのが現状です。
子宮頸がん発症の主要な原因である、発がん性ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するワクチンです。
ガーダシルは、HPV16型と18型の持続感染、HPV16型もしくは18型が関与する前がん病変の発症をほぼ100%予防します。その上、ガーダシルの方は、HPV16型18型のみならず、尖圭コンジローマを起こすHPV6型と11型も予防できます。 10歳以上の女性が接種対象です。3回、筋肉内接種します。子宮頸がんの60%が防げます。
シルガード9は、新しいワクチンで、HPV6,11,16,18,31,33,45,52,58型の9つの感染を防ぎます。子宮頸がんの90%を防ぎます。ガーダシル同様に、3回打ちます。14歳以下では、2回と言われています。
また、大人での接種で、最低その半分の予防効果が期待できます。 1回のワクチン接種が、本院では、16,500円です。3回で、49,500円となります。ガーダシルは。
シルガード9は、1回30,000円で3回で90000円。
なお、このワクチンを接種したから、今後の子宮頸がんの検査が必要ないわけではありません。しかし残りのHPV感染があるため、従来通り検診は、受けましょう。
避妊せずに性交した場合に緊急避難として行う妊娠防止法です。
従来から、Yuzpe法が、おこなわれていました。
性交後72時間以内に卵胞ホルモンethinylestradiol0.05mgと黄体ホルモンnorgestrel0.5mgの合剤(よく使われるのは、プラノバール)を2錠投与。
その12時間後に同量投与する方法です。妊娠阻止率ほぼ76~78%(北村研究)。
また、性交後120時間までは、効果があると言われています。費用、初診料含めて3500円。
今回、はじめて正式に承認された、緊急避妊剤「ノルレボ錠1.5mg」は、従来のYuzpe法に比べて、妊娠阻止率が、81%とより高く、また、卵胞ホルモンが入ってないため、副作用の悪心、嘔吐が、少ない(9.2%)。それに、1回1錠飲んだら、終わりです。服用は、早ければ早いほど避妊効果は、高いといいます。
避妊機序は、性交後72時間以内に、上記薬剤を排卵前に投与すると、血中LHのピークが有意に低下し、遅延排卵、無排卵、黄体期の短縮がおこることがわかっています。また排卵の後の投与では、血中の卵胞ホルモンまたは、黄体ホルモンの濃度が低下し、子宮内膜の発育異常の結果、黄体機能不全となり妊娠が成立しません。
副作用は、出血(53.8%)、頭痛(12.3%)、悪心(9.2%)、倦怠感(7.7%)等でした。この「ノルレボ錠」の費用は、初診料も含めて14000円です。「ノルレボ錠1.5mg」のジェネリックが、「レボノルゲストレル錠1.5mg」発売されました。これは、8000円です。
単純ヘルペスウイルスの感染で起こります。1型(口唇や顔面)と2型(性器)の2つのタイプがあります。
性的な接触の後2~10日間の潜伏をおいて、比較的突然に発症します。外陰部に水疱ができ、それが破れて浅い潰瘍が多発します。とっても痛いことが多く、尿もしみます。発熱を伴うこともあります。
また、ソケイ部のリンパ節の腫大と痛みがあることもあります。初めての感染(初感染初発)は、症状がひどいです。昔に感染があったのに発症してなく、潜んでたものが、初めて症状がでることもあります(非初感染初発)が、ここ場合は、症状が軽いです。
また、しばしば、再発に悩まされます。このウイルス(HSV-1,HSV-2)は、性器に感染すると神経を伝って上行し、腰仙髄神経節を主として、潜伏します。再発は、何かの刺激により再活性化され、神経を下行し、再び皮膚や粘膜に現れ病変を起こします。
1型の方が、初感染の症状は、2型よりひどく、再発は、2型の方が起こしやすいです。
再発が多いため、寝不足や不規則な生活は、改めるようにしましょう。
特に、生理も前は、免疫能が下がるため、よく再発します。
治療は、ゾビラックス錠(1日5回服用)、バルトレックス錠(1日2回服用)があります。
しかし、あくまでも、ウイルスの増殖を抑制する薬です。塗り薬も併用します。 また、何度も再発を繰り返す人には、バルトレックス錠を1日1錠の連続投与で、再発を抑制できます。
これは、毎月のように再発してた人には、朗報です。
最近、増えてます。性器へのヒトパピロマウイルス(HPV6,11)の感染により、3週間から8ヵ月(平均3ヵ月)の潜伏期をへて、外性器や肛門周囲に1~2mm前後の淡紅色から褐色調の先が尖ったイボが多発する疾患です。
子宮頸癌を起こすウイルスと同じです(タイプは、違います。子宮頸癌を起こすウイルスは、HPV16、18等)。ほとんどが、性行為による感染です。相手などへの感染を防止するためにも、積極的な治療をしましょう。
治療は、再発が多いですから、根気よく治療が必要です。外科的治療法は、外科的切除、電気メス切除、レーザー切除、凍結療法があります。凍結療法以外は、治療に痛みを伴います。
最近出来たのが、これが画期的な薬物療法です。ベセルナクリーム(トンガラシの成分から抽出された成分と言います)です。ウイルス増殖抑制作用と細胞性免疫に反応し、ウイルス感染細胞障害作用を示し、体の本来のウイルス感染防御機構を介して、イボを消失させます。
週3回(月、水、金 or火、木、土)。ベセルナクリームを塗って、8~10時間したら、洗い流すこと。そうしないと、ただれてしまいます。
シャワー浴びれる時間から、逆算して塗る時間を決めるのがいいでしょう。発赤や、びらんができたら、一時中止しますが、そうする、またすぐ再発します。ですから、中止期間は、1週間が目安です。少し皮膚が回復したら、塗る時間を短縮(6時間)して、再開します。
イボが、消失しても気を抜かずにつづけて治療が重要です。根気よくやれば、治りますから。消失に8週間。その後4週間は、塗る時間短縮して観察。ちゃんと治るのに3ヵ月は、かかります。頑張ってください。ちゃんと通院するのが寛容です。
IUD(Intrauterine Device)は、避妊目的で子宮内に挿入する小さな器具のことです。
黄体ホルモンを付加してるタイプ(ミレーナ)です。2007年4月にでた、ミレーナは、5年で交換。失敗率0.14%です。
この黄体ホルモン付加のミレーナは、5年間入れっぱなしで、避妊効果が低容量ピル(失敗率0.3%)より優れてる。失敗率0.14%!5年間で生理が無くなる人が10%。しかしちゃんと排卵はある。(全身への影響が少なく、局所で子宮内膜のみに作用する)生理が無くならなくても、生理の量が減ってくる。ですから、子宮筋腫や子宮内膜症、特に子宮腺筋症(子宮筋の中に内膜症がある)の多い生理には、症状の改善が期待できます。これを入れた患者さんから、生理が減って快適よ!と喜んでもらいました。すでに子供がいて、タバコを吸ってて、また40歳すぎて、低容量ピルを飲めない人や生理が多い人、もう子供はいらない人の避妊にいいです。また、抜くと妊娠できます。低容量ピルと違って、血栓症がないのもメリットです。ミレーナは、2014年9月から、「過多月経」があれば、保険適応となりました。約13,000円です。また「月経困難症」も追加になりました。
しかし、欠点もあります。挿入時、口径がやや太いため痛みを伴います。また、挿入後約3ヵ月間少量の出血が多くの場合続きます。それ以後は、止まることがありますが、人により、ダラダラその後も少量続くことがあります。一度止血しても、また時間置いてダラダラ少量出血が起こることもあります。これが一番の欠点です。しかし、月経血は、確実に減ります。
外陰部がかゆくなる病気のトップバッターが、外陰膣カンジダ症です。寝不足や体調を壊したり、膀胱炎になったり、風邪ひいたりすると、よくなります。それも、性交渉の後にひどくなるので、まるで病気を移されたにではないかと不安になることがあります。まあ、相手から移されることもありますが、多くは、疲れて膣に少しカンジダが発生していて、そんな時性交すると、後からかゆくなることが多いのです。なぜなら、膣内は、酸性で膣の中をきれいにしていますが、性交するとアルカリ性になります。自分できれいにできなくなり、カンジダがわあっと繁殖し、かゆくなるわけです。もしも、元気いっぱいなら、自分で、膣内を酸性にしLactobacillusといういい菌が、膣内をきれいにしてくれます。体調が悪いときや疲れてる時は、二人で寝るのではなく、一人でゆっくり寝ましょう。治療は、膣錠と塗り薬です。膣錠は、1回入れると1週間効果があります。1週間後に治ったか検査します。また、かゆくなる病気には、細菌性膣症などで、外陰部がかぶれてかゆくなるものもあります。カンジダ症との合併も見られます。その時は、カンジダの塗り薬とかぶれの薬を一緒に使います。
ヒトパピロ-マウイルス(HPV)は、子宮頚癌の原因ウイルスであり、ほぼ全ての子宮頚癌の組織から検出されます。ヒトではこれまで100以上の型が報告されていますが、HPVは型により子宮頚癌に高率に検出される型(ハイリスク)から病因と関連性がないと報告されている型まで確認されています。
子宮頚癌の検診は、まず、子宮頸部の細胞診で行います。結果は、従来 I II IIIa IIIb IV Vと分けられていました。そして、I II は正常。IIIaは、軽度異形成。IIIbは、高度異形成。IVは、上皮内癌。Vは、浸潤癌というクラスでした。最近ベセスダシステムが導入され、軽度病変疑い(ASC-US)、軽度病変(LSIL)、高度病変(HSIL)、扁平上皮癌(SCC)。また、腺癌の系統もあらたに加わって、腺癌疑い(AGC)、上皮内腺癌(AIS)、腺癌(Adenocarcinoma)となりました。今は、過渡期なので、従来の表示と新しい表示を一緒に表示してる場合が、多いです。
正常な細胞にHPV感染が起き、10%が持続感染し、軽度異形成となります。約90%が免疫力で排除され、残りが高度異形成となります。こうなると、治療が必要となります。子宮の頸部を切除する、円錐切除術を行います。そして、上皮内癌を経過して、癌になります。
HPVの型には、より子宮頚癌になりやすい型(ハイリスク)とそうでない型があります。
そのハイリスク型は、16.18.31.33.35.39.45.51.52.53.56.58.59.68があります。HPVの感染率は、統計により異なりますが、10~20代は、約50%、30~40代は、約30%。そのHPV陽性者の約半分にハイリスク型HPVが検出されております。HPV陰性例においては、異形成から癌の存在は、きわめてまれであるとされています。
このため、子宮頚癌検診では、特に細胞診で(ASC-US)/IIIa以上はHPV測定が必要と思われます。
<時期>
妊娠9週6日まで、手動真空吸引法で静脈麻酔下、日帰り手術を行っております。
<方法>
今まで、妊娠11週6日までは、通常、静脈麻酔下で日帰り手術を行っておりましたが、最近の手動真空吸引法では、 子供を産んでない人でも頚管の拡張がいらないため、妊娠9週6日までの手術となります。
手動真空吸引法は、子宮に優しく、普通の吸引法より安全性が高く、手術時間も短くなります(WHO、日本産婦人科学会の推奨)。朝手術し、お昼過ぎに帰れます。
ただし、帝王切開後の人は、子宮頚管(子宮の出口、子宮口)が傷の瘢痕で硬く、また子宮壁が薄くなってることがあります。手術の前日の夕方子宮頚管にラミセル(硫酸マグネシウムを含む高分子材料。スポンジを圧縮したような棒)を入れるます。その日は帰ってもらって、次の日の朝手術します。手術の時は、頚管は柔らかくなり拡張しやすくなっています。
この前処置は、子宮頚管を3mmぐらい開く必要があるため、痛みを伴います。しかし、この処置のおかげで、子宮頚管は開くやすくなり、手術が安全に行えます。
<費用>手動真空吸引法で、15万円です。
<手術に伴う合併症>
<妊娠中期の中絶>
妊娠4ヵ月(妊娠12週)以上は、日帰りの手術は難しくなり、入院して子宮口を開いてから、陣痛をつけて分娩の形をとります。ですから、2-3日の入院が必要となり、金銭的にも精神的にも大変です。本院では、この12週を超える中絶は行っておりません。その時は、分娩をお願いしている病院へ紹介します。
<術後の留意点>
<供養について>
12週未満の胎児は、信頼できる業者さんに引き取っていただいて、「滝不動正受院」(北区滝野川)にて水子供養をしていただいております。もし自分で行きたい方がいらしゃれば、その旨言ってください。案内を渡します。
避妊目的に造られ、なるたけホルモン量を減らし、副作用を少なくしたのが、低容量ピルです。
この低容量ピルは、主な目的は避妊ですが、それ以外にも生理痛(月経困難症)の軽減と生理量の減少に効果があります。また、子宮内膜症の悪化、再発防止や自覚症状の改善に使われます。最近は、この使い方が増えてきました。子宮内膜症は、手術しても一時的には、改善しても、すぐ再発することが多く、手術後や、内膜症の保存治療後に低容量ピルを使います。
低容量ピルの作用メカニズム
低容量ピルは、エストロゲンとプロゲステロンの合剤です。外から投与すると、視床下部のホルモンが出てるよと命令がきます。そうすると下垂体から卵巣にホルモン刺激がなくなり、卵巣は、排卵も起きず、ホルモンも分泌せずに、お休みします。子宮は、卵巣からホルモンが出ないため、外から投与された低容量ピルのホルモンでコントロ-ルされます。このホルモンの作用で子宮内膜は、あまり増殖せず、その結果出血量は少なくなり、少なくなれば、子宮はそれほど収縮しなくてすみますから、生理痛が減ります。この子宮内膜が増殖しないことが、子宮内膜症にいいわけです。子宮内膜症は、異所性にある子宮内膜が増殖する病気ですから。
現在低容量ピルは、ホルモンの種類で3種類あります。卵胞ホルモンはすべて同じで、黄体ホルモンの違いです。
また、ホルモン量が一定のと三相性のとがあります。
あと21錠と28錠のタイプがあり、28錠は、21錠がホルモンがは入ってい、ダミ-が7錠あります。21錠は、21錠飲んだら、1週間休薬します。
人により、どれにするか相談します。ニキビが出やすい人は、こっち。土日に生理が来てほしくない人はこれ。生理調整が楽なのは、これ。というように。
また、低容量ピルは生理の調節がとっても楽です。早くするのも、遅らせるもの。低容量ピルを何錠飲むかで決めれます。
低容量ピルの副作用
クラミジアや淋病の予防はできません。あたりまえですね。低容量ピルを飲むと、吐き気や嘔吐、乳房の痛みやむくみがでることがあります。このような症状は一時的なことが多く飲み続けるとしだいになくなってきます。また、食直後に飲む方が、吐き気は比較的おきません。
血栓症が一番の問題です。心臓の血管につまれば、心筋梗塞ですし、頭では、脳梗塞です。しかし、その頻度は、あまり高くありません。また、肝臓で分解されるため、肝障害がありますが、低容量ピルでは、あまり起こりません。そして、低容量ピルで避妊ができるため、いろんな人と性交すれば、低容量ピルのためではなく、HPV(パピロ-マウイルス)の感染で子宮頸ガンが増えることがありますが、そんなことをしなければ、子宮頸ガンは増えません。
タバコは、35才以上で、ヘビ-スモ-カ-(15本以上)の人は、血栓症の確率が、167倍ぐらい増えます。タバコはやめましょう。
年齢が40歳以上は、血栓症が増えるので、飲めません。また肥満(BMI25以上)は、これも血栓症が増えます。
低容量ピルの服用をやめれば、いつでも妊娠可能な状態にもどります。
費用は、1ヵ月 2,600円~2,800円です。うちでは。
細菌性膣症について
正常な膣内の環境は、膣にいるLactobacillusという細菌により、酸性の状態にし、他の細菌の侵入を防いでいます。
何らかの原因でこれが破綻し、複数の細菌に置き換わった状態が細菌性膣症です。あの魚の様な生臭い悪臭があるおりものがある時もあります。しかし、さらっとした帯下のために1/3-3/4は放置されています。なぜ膣炎でなく膣症かというと、膣の中は、真っ赤っかにもならず、はっきりとした炎症所見がないためです。
性交との関連は大きく、性交で膣内がアルカリ化が起こり、悪化します。精液が強アルカリのため、性交時は、コンド-ムをおすすめします。骨盤内感染症や妊婦さんは、流早産の原因になります。
治療は、抗生剤の膣錠や抗菌剤の内服で治ります。
クラミジアについて
クラミジア・トラコマチスは、約50年前のベトナム戦争ごろに流行し、日本に上陸した病原菌です。ベトナムなどのジャングルにすむ鳥の口中から発見されたとされています。クラミジアは、0.3ミクロン程度の大きさで、細菌とウイルスとの中間的な病原体(細菌の一種)です。クラミジアは現在3種類ありますが、性行為感染症の原因として問題になるのは、クラミジア・トラコマチスという種類です。
世界的に増加している性病(SEXでかかる病気、性行為感染症とも言います)で、世界中で今一番多い性病です。19歳以下の女性では、約23.7%に感染があるというデータがあります。
ほぼ4人に1人ということです。あまり症状がでないため、どんどん広がっていきます。特に男性はあまり症状がでず、次から次の女の子に移します。女性も子宮の出口にいるときは、あまり症状がひどくなく、少しおりものが増えたぐらいのことが多いようです。それが、子宮頚管、子宮内腔、卵管を通って卵管炎や、骨盤内の炎症を起こすとお腹が痛くなります。ひどくなれば、入院したり、手術になることがあります。もちろん不妊症の原因にもなります。この腹痛を虫垂炎と間違えて外科で手術をしてしまった話は、時々あります。
特に最近増えている感染ルートは、風俗店で、口でするものがありますが、ここでもらうルートです(口でする場合は、コンドームはつけないので)。忘年会の帰りなどに、気軽に行ってしまうケースがあるようです。クラミジア感染は、一度感染すると、ずっと骨盤内にとどまっています。
検査は、女性は、子宮頚管からクラミジアそのものをみる、抗原検査と血液でクラミジアの抗体を見つける検査を同時に行うのが一番いいのですが、保険では、同時に検査はできません。一方のみが保険適応です。そのため、抗原検査を始めに行うことが一般的です。
もちろんお腹が痛い場合は、もうクラミジアが骨盤内に入っている可能性があるため、血液で抗体をみます。クラミジアの感染と同時に、淋病の同時感染もあります。
クラミジアと淋菌を同時に1回の投与で治す薬もできました。
治療は、抗生剤を1~2週間内服で治ります。1週間でほぼ80%近く。2週間で約90%治ります。もちろん同時に、つき合っている人はみんな、治療しなければいけません。一方が治ってないとまた移ります。エイズと違って薬でちゃんと治ります。ご安心ください。
※上記金額は全て税込みです。